カテゴリ:歯内療法( 2 )
根管充填の技術
 右下にメタルプレートのあるパーシャルデンチャーつまり部分入れ歯を長年使用している患者さんです。義歯を長く使っていると、残っている歯の清掃状態は悪化しやすいものです。いつの間にか右下の犬歯の歯頚部から虫歯になって、そこから細菌が侵入したために右下の歯茎が大きく腫れてしまいました。最初の画像の歯の根の周りが少し暗くなっています。その部位が感染している場所です。切開して膿を出してから、感染している根管を治療していきました。腫れが引いて痛みもなくなったので、根管充填したのが二番目の画像です。根の先端の所を注視してください。根管から細く充填剤がはみ出しています。ここが大変重要なことなのです。充填剤が少しはみ出しているという事は、ばい菌が生存する場所がなくなったということです。少しでも隙間があればそこで細菌は生きてゆけますが、そのスペースがなくなったら、細菌は住む場所がなくなり死滅していきます。だから隙間を絶対に残してはならないのです。そのためには根管充填する時に、垂直的に圧を加えなくてはいけません。しかし、この垂直的に加圧する技術を持った歯科医は、大きな声では言えませんが、5パーセントもいないのです。それ程この技術は難しいことなのです。歯科医もより良い歯科医療を行うために努力しなくてはなりません。こんな細くて狭い部分に根充剤を緊密に詰めるには、この狭い部分をレーザー照射して細菌や老廃物を蒸散する必要があります。同時に乾燥もしっかりしなくてはなりません。そこまでやれば保険の診療報酬では採算が取れないかもしれません。しかし、患者さんのためにはより良い診療を行うべきでしょう。根管充填した画像を見せてもらうことはできますから、それをしっかり見てご自分の歯医者さんがどんな治療をしているのかチェックすることも大事なことです。正しい歯科の知識を知って、ご自分の大事な歯を守ることは、幸せな人生をつかむためには大切なことです。
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by tanaka_dental | 2011-01-28 07:23 | 歯内療法
こんな高齢者の歯内療法はレベル4です
 画像をよく見てください。高齢者の歯ですが、その付け根の部分が楔(くさび)状に削られています。おそらく日々のブラッシングのために少しずつ削られていったのでしょう。このように楔状の欠損のある歯は、中の神経と血管の入っている根管が石灰化して大変細くなっているのです。若い頃は0.5~1ミリメートルの太さがあった根管ですが、このような高齢者の歯になると、その太さは数ミクロンから数十ミクロンの細い根管になってしまいます。このような歯の根管を治療する場合は、針の穴のような細い細い根管を探し出さなくてはなりません。目に見えないような根管を細い専用の器具で探り当てなければなりません。その難しさがフィギァスケートのレベル4に匹敵するのです。かなり深いところまで専用のバーで削っていかなければなりません。ですから相当なリスクを伴います。これも歯科医療の難しさの一面なのです。
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by tanaka_dental | 2010-02-25 14:37 | 歯内療法